poco a poco

ハウスキーパー入門

周囲は、わかってあげられない辛さ


友だちで、夫が大学の研究職だった人がいる。
世間的には知的な職業で、立派な旦那さまですね、と思われてもいるが、家庭人としては最低と言う。
家事や育児はできない手伝えないどころか、自分の身の回りの事が、ろくにできない。
食べた食器はそのまま、脱いだ衣類もそのまま。
ご年配の夫にはよくいるが、それだけではなく、
プライベートで、周囲の人に挨拶できない、何かしてもらってお礼できない、人の気持ちが理解できない、うまくいかないと自分に原因があると思えずイライラを家族にぶつける等々。

知的な面に優れているが、バランス良く成長できなかったタイプか、広汎性発達障害に近い気もする。


当然、家庭内では他の家庭と足並み揃えたり育児は妻が相当な努力をしている。


妻は、もう疲れちゃっている。

愚痴をこぼしても、周囲の人は「大学の先生なんだから仕方ないんじゃないのー?」と呑気で他人事発言。
つまり頭良くて知的な職業なんだから、多少ダメダメ人間でも我慢すれば〜って。


「私がこんなに大変でつらいのに、誰も理解してくれない」
ついには妻の方が心に不調をきたしてしまう。


先日、長年の友だちが、私カサンドラっぽいんだよね、という。
若い頃は、夫の研究も忙しいし、いろいろな事できなくても、勉強ばかりしていたから、経験が少なかったのか?と思っていたけど、最近は、やっぱり夫は発達障害だと確信していると。
今まで実家の母に愚痴っても、男ってそんなもんでしょとか言って、夫の酷さのレベルを知ろうとしなかった。
私は本当に辛かったんだよ。と嘆く。


私も、長年彼女の愚痴を聞いてきたが、
やっぱり「まぁまぁ、よそもそんな感じじゃないの〜」とひとごとな感じだった事反省した。かと言って積極的に他所の夫の悪口言うのもなんだしね。
言ってイイなら、ナンボでも言えるけどさ。
今は、彼女の辛さについて、大変だったねと労い背中をさすってあげるしかできない。



朝ドラ話 のどかちゃんの爆発 共感します

「何が食べたい?」
普通の家庭なら日常的に親が子どもに話しかける、どうってことのない会話。
星家の父と子は、普通の会話がなかった。
裁判官の父の娘、父は戦争を引き起こした間接責任を心に抱えて自分自身が幸せになる事を、許せなかった人。


普通に親に甘えたい幼少期を我慢したまま、母を亡くし、成長してクールな娘になったが、甘えたい、わがまま言いたい、抱きしめてもらいたいという、幼い頃に表出していい感情を押し込めていた、のどかちゃんかわいそうでした。


再婚後の父が、普通のお父さんとしての振る舞いを見るにつけ、
私たちはやってもらってないけどー
という気持ちが、封印しても溢れてしまいました。


父の航一さんの「何が食べたい?」という先の言葉に、今それ?と一瞬思ったが、のどかちゃんは、小学生の時、食糧難で空腹の時に、一番言って欲しかった言葉なのでしょう。
お父さん、それそれ、そういう何気ない労りや優しさをわかりやすく言って欲しかったのよーという号泣でした。


子どもは甘えたい時期があります。
うんと受け入れられて、充分甘えたら必ず次に進めます。
甘えたい子どもを、「甘えさせると癖になる」「将来困る」とか突き放そうとシャットアウトすると、満たされない気持ちはくすぶり続けて、人への優しさを発揮できなかったり、自立がかえって遅くなります。
もちろん星家では、ゆりさんというお祖母さんが役割を担っていましたが、賢さを求められた星家の子どもは、子どもらしさを発揮できなかったんですね。


涼子さまと玉ちゃん以来の、号泣でした。週末は泣けます。


それにしても、ゆみちゃん結構いい手までできていて(麻雀の話ね)途中リタイアして、もったいない。
イーシャンテンまで行ってるっぽいのが、気にかかる。



親の余命がわかった時やることは

一緒に趣味をする友だちが、何やら落ち着かない。
聞くと、お姑さんの癌が判明して、更に余命1ヶ月とわかった。
何から手をつけていいのか混乱するとのことで、
とりあえず、お悔やみに訪れる人達の、座布団を干すぐらいしかできないって言うの。
今日、友だち数人が自宅に集まり食事会があって、当事者も来た。
とりあえずやる事ないから、落ち着かないけど、淡々とその時まで過ごすしかないのよと。


集まった皆んなは、口を揃えて、お姑さんの葬式資金がいくらあるか調べるのが最優先でしょう!と言う。
貯金通帳を調べて、カードを預かり、払い戻しできる金額の限度額いっぱいおろして、喪主を務める夫の口座に入れておく。
葬儀屋さんの費用は、普通即金払い。
超高齢者のお葬式は、香典が集まり難いから手元に現金がないと厳しい。


北海道の冠婚葬祭は独特です。
開拓者の時代から、相互扶助の精神が浸透してて、親戚縁者がいない中、他人同士の地域集団がお祝い事も人が亡くなった時も助け合って、少ないお金を持ち寄って、結婚式や葬式を取り行った。
結婚式は会費制だし、葬儀への参列やお香典は、故人と直接関係なくても、親族に知り合いがいると、お通夜か葬式には参列する。コロナ以降は、ずいぶん簡素化されたが、葬儀費用は参列者のお香典でほとんど支払うことができたのです。
北海道は香典返しも、ほとんどないしね。


さて先の知人のお姑さんは、96歳。
香典による回収は期待できない。
本人は、いわゆる葬式代はあるらしい。
しかし喪主さんになる人の、手元にはない。
嫁は言い辛いよ〜と気弱です。
姑見送り経験者の友だちは、
「口座凍結されたらアウトだよ、今すぐ婆さんのお金おろしておいで!」と闇バイト一味のリーダーのような指示をしていた。





夫が鯖を釣ってきて味噌煮作りました。

70代になった箱入り娘のこと

知人は最近、パンダ子の地域に引っ越してきました。
旦那さんが、当地の出身なので、よくある老後はどちらかの故郷で過ごすという美談に同意して同行したと思っていた。
でも実は、夫の未婚の姉のお世話をするため。


お姉さんって病気なの?
NO!


お姉さん資産家なの?
NO!


兄と弟がいる女の子は、両親に溺愛され育ちました。
いずれお嫁に行って苦労するからと、就職もせず自称家事手伝いで過ごしていました。
20代から縁談はそれなりにあったのですが、長男だからダメ、お姑さんと同居だからダメ、転勤があるからダメ、背が低い太い痩せすぎとか、なかなか結婚に至らず、中年になり初老になり後期高齢者になる目前でお父さんもお母さんも亡くなりました。
お母さんはお達者な人で、亡くなる寸前まで娘さんのために家事をしていました。
娘さんが、ずっと箱入り娘だったため、お母さんは元気だったのでしょう。
世間一般のように娘さんが甲斐甲斐しく老親のお世話をしていたら、お母さん達は弱ってしまったかもしれませんね。


90歳になったお母さんは、末の息子さん(知人の夫)に
お姉ちゃんの事お願いね、と言い残していました。


不憫に思った弟さんは、妻に相談もなく、姉のお世話のために住み慣れた町から引っ越してきました。
自分は故郷だから、それなりに嬉しいかもしれないが、付き合わされた妻は不満が募ります。事後報告だっていうのは、あまりにもルール違反です。
50年前は自称家事手伝いだった姉は、老いて家事のお手伝いもできず、自分のお世話は母から弟の嫁に役割が交代しただけです。


ずっと無職で未婚の人の年金はいくらか知りませんが、弟夫婦は姉の扶養も担っているようです。


「いつ離婚を切り出すか迷ってるんだよね〜」
夫の生活、姉の生活、妻が手を引けば立ち行かなくなります。
生殺与奪の権は知人にあります。


知人には同情しますが、親に育てられなかったずっと箱入り娘を貫いているお姉さんに、もっと同情します。


3分だけ時間をいただけますか?

prime Videoでハマっているドラマ「遺留捜査」
上川隆也主演のミステリー刑事ドラマです。


主人公の糸村さんは、殺人事件の現場に残された遺留品が妙に気になる人で、仲間が事件解決にために奔走している中、マイペースで一見どうでもいいような物の出どころやバックグラウンドを調べます。当然ですが同僚や上司は厄介者扱いし足並が揃いません。ただ一人の協力者は遺留品の分析を無茶ブリされる科捜研の村木さん。
容疑者は、結局他の刑事さん達が逮捕するのですが、加害者が何故、事件を起こさざるを得なかったか、殺されて当然のような非情な被害者の優しさが村木さんの独自捜査によって明らかにされ残された遺族や加害者家族が希望を持って次に進める励ましになるのです。
遺留品の説明する時の決めゼリフは「わたしに3分だけ時間をいただけますか?」
糸村さんのセリフとBGMで毎回号泣します。


全部過去作品ですが、リアルの放送時、全然見てなかったんです。裏のBSで刑事コロンボ見たりして、もったいなかったー。


10年以上前に放送されたもので初期の頃のはジェンダーとか働き方とか容疑者への取り調べ方とか、微妙な疑問もありますが、別の楽しみ方として今活躍している役者さんが出始めの頃、ちょっとした役で出演している発見が面白いの。


知人に教えてあげようとして先日の食事会の時、「遺留捜査って知ってる?」と話題を振ったら
「あー、あれワンパターンで、くだらないよね」とバッサリと切られた。
散々姑の介護話聞いてあげたのに、私の話に3分の時間もくれなかった。