poco a poco

ハウスキーパー入門

正直な大工さんの息子たち

過日亡くなった正直な大工さんについて

もう少し語っていいですか。

我が家とは、お付き合いが長かったのでお通夜に続き葬儀告別式にも参列させて頂きました。


我が家を建ててもらった頃、大工さんご夫妻は息子さん達の事で、とても悩んでいました。三人兄弟の次男三男がグレて中学校で暴力行為したり、非行に走り、高校を中退したからです。

職人になるという志高かったのではなく、ドロップアウトしちゃったんです。

お父さん大工さんは、他人様に迷惑は掛けられぬと、自分の現場に息子さん達を連れて行き、職人の見習いをさせました。

なので我が家の建築現場には、金髪剃り込み眉毛なしのヤンキー息子がウロウロしていました。

途中辛くて逃げ出したりもありましたが、お父さん譲りのキッチリした資質が職人向きだったのか、一人前の大工さんになりました。我が家のリフォームの時には、三男さんが請け負ってくれましたが、スキンヘッドに眉毛なしというヤンキーファッションは相変わらずでした。少し礼儀正しくなっていました。

っていうかファッションというよりも、薄毛になったので、剃っちゃったらしいです。


昨日の葬儀野辺送りで、かつて無口で無礼だった次男さんが施主として立派に挨拶していました。

三男さんは、10代で結婚して奥さんがしっかりさんだったので、良い家庭を築き、3人のお子さんに恵まれ、それぞれが伴侶を得て、大工さんはひ孫まで授かりました。


大工さんご夫妻が偉かったのは、グレた息子さん達を決して見離さなかった事。

説教もせず、黙々と働き、結果で人にリスペクトされる姿を息子達に見せた事。

親族席を後ろから眺めて、涙が出ました。

小麦畑

黄金色になるのも、もうすぐです